定年を迎えると、自由な時間が増える一方で
「この先、どんなふうに過ごそうか」
「まだまだ働きたいけど、体力に自信がない」
そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、無理のないペースで取り組める「小さな仕事」です。
この記事では、定年後の働き方について考えながら、幸せな老後を実現するための小さな仕事の選び方や続け方をご紹介します。
自分らしいセカンドライフをスタートさせるために、ぜひ参考にしてください。
定年後の働き方とは？今求められる「自分らしい仕事」とは
定年後は、文字通り「自由な時間」が生まれます。
けれども、何もしない日々が続くと、だんだんと生活にハリがなくなってしまうことも…。
最近は「定年後も働き続けたい」と考える人が増えています。
理由はさまざまですが、多くの人が求めているのは、収入だけでなく、生きがいや社会とのつながりです。
つまり、これからの定年後の働き方は、「お金のため」だけではなく
自分らしさを大切にできる仕事を選ぶことがとても大切になっているのです。
一時、“老後は2000万円必要”と騒がれましたが、実際の定年後は住宅費や教育関係費などの支出が大きく減り、年金に加えて月10万円ほどの労働収入があれば家計を回せます。
年齢を重ねると気力や体力が低下するのが当たり前で、現役時代のようにフルタイムで働く必要はありません。
老後は心身の状態と向き合いながら、月10万円を稼げるような『小さな仕事』を見つけることが求められます。
小さな仕事とは仕事量や責任が少なく、労働時間が短い分、収入はフルタイムほど多くない仕事のことです。
幸せな老後を叶えるために働くメリットとは
定年後に小さな仕事をすることには、たくさんのメリットがあります。
- 生活リズムが整う
毎日、適度な予定があると生活にハリが生まれます。 - 社会との関わりを持ち続けられる
家の中に閉じこもらず、人と話す機会が増えることで、孤独感を防げます。 - 新しい知識やスキルを得られる
仕事を通じて新しい学びに触れ、脳もイキイキと活性化されます。
こうしたメリットは、健康寿命を延ばすためにもとても効果的です。
実際に、『Bulletin of the World Health Organization』誌2018年12月号に掲載された論文によると、60才以上の日本人男性への調査の結果、定年を過ぎても働くことが健康にプラスの影響を与えることが示されています。
調査によると、60～75才までの就労者と非就労者で、「死亡」「認知機能低下」「脳卒中」「糖尿病」の発症を調べたところ、糖尿病を除くすべての項目で就労者のほうが、発症率が低いことがわかりました。
また、「老後の人生を脅かすのは孤独です。
家にこもるのではなく、週に数回でも働いて人や社会に接すれば孤独にならず、脳が刺激されて老化を防げます。
たとえ少額でも働いて収入を得ると、自分は社会に貢献しているという自己肯定感が生じて、幸せな時間を過ごすことができます」と、精神科医の樺沢紫苑先生は、おっしゃってます。
小さな仕事で心豊かに！自分のペースを大切にする働き方
定年後は、何もフルタイムで働く必要はありません。
たとえば
- 週に2〜3日だけ
- 1日数時間だけ
- 在宅でできる仕事
こんなスタイルでも十分です。
体力や気持ちに合わせて、自分のペースで働くことが何より大切。
「頑張りすぎない」「楽しむことを最優先」
そんな気持ちで取り組むと、毎日の生活がもっと豊かになります。
定年後におすすめの小さな仕事とは？具体例を紹介
では、どんな小さな仕事があるのでしょうか。
具体的な例を紹介します。
- 趣味を活かした教室
例：手芸、絵画、書道など。
地域の公民館や自宅で開けます。 - 地域密着型の仕事
介護補助、子育て支援、シルバー人材センターなども人気です。 - 企業のサポートスタッフ
事務作業や受付、清掃業務など、短時間勤務の求人も豊富。 - 在宅ワーク
パソコンを使ったライティングやデータ入力など、自宅でできる仕事もおすすめ。
■家事代行
料理や洗濯、アイロンがけ、掃除、整理整頓、クリーニング出しや引き取り、買い物などの家事を行う。
■育児代行
小さい子供の寝かしつけやおむつ交換、食事、入浴補助、日光浴、お散歩、幼稚園等送迎、絵本読み聞かせなどの育児。
■公民館スタッフ
職員が退館後の公民館の管理業務や来館者の対応、巡回、防災など。
■交通誘導員
駐車場や工事現場などでの交通誘導。
■給食スタッフ
学校給食の準備と後片付けや洗浄など、給食センター内での調理業務全般。
■介護スタッフ
入居者への食事や着替え、入浴など日常生活のサポート業務。
■保育補助スタッフ
子供と一緒にお散歩や食事、室内遊びなど、子供たちが安全に楽しく過ごせるよう見守る。
■送迎車の運転
普通車で介護施設などの利用者の送迎。
■運転補助
配達車両などに同乗し、車内待機（駐車違反対策が主な目的）をする仕事
■レンタカー店舗スタッフ
カウンターでの接客や電話対応、伝票、請求書作成などの仕事
■スターバックスコーヒージャパン
スターバックスでは、年齢制限なし50～70代が全国900人勤務しています。
70代後半のスタッフもいます。
スターバックスといえば、コーヒーを入れるバリスタ業務が中心ですが、高齢の人は、商品の陳列、清掃業務や仕込み、サポートに絞り込んだ短時間勤務を希望することもできます。
■日本マクドナルド
日本マクドナルドでは、90代のスタッフも勤務しています。
週4、夜勤で働くなど、自分のスタイルに合わせて働いているということです。
マクドナルドでは、注文を聞いたりレジ操作をしたりする接客が苦手なら、オペレーション（作る作業）や清掃などを担当することもできます。
どの仕事も、自分の得意分野や興味に合ったものを選ぶと、楽しく続けられます！
自分らしい老後のために、仕事選びで気をつけたいポイント
小さな仕事を選ぶときは、次の点に注意しましょう。
- 体力に無理がないか
- 家から無理なく通えるか
- 自分の好きなこと、得意なことか
- 家族の理解が得られているか
特に体力的な負担は見落としがち。
「ちょっと大変かな…」と感じたら、遠慮なくお休みできる環境が理想です。
「楽しく続けられるか」を基準に選びましょう。
小さな仕事を長く続けるコツ～ストレスを溜めないために～
長く続けるために、次のポイントを意識しましょう。
- 完璧を目指さない
多少うまくいかなくても気にしないこと。 - 嫌なことは無理に受けない
苦手な仕事を無理に続けるとストレスに。 - 体調管理を最優先に
疲れたらしっかり休みましょう。
「休むことも仕事のうち」と考えるくらいの、ゆるやかな気持ちが大切です。
まとめ：幸せな老後は「無理しない働き方」から始まる
定年後も、自分らしく働くことで毎日がもっと充実します。
大切なのは、無理をしないこと、そして楽しむこと。
パートやアルバイトで収入を得ることで、生活資金の不足を補えれば、お金に関する不安も解消されるかもしれません。
しかし、資金的な面だけでなく、働くことは心身の健康にもつながります。
仕事をすることで、やりがいを感じられるだけでなく、新しい仕事の緊張感、仲間ができることなど生活に張り合いが生まれます。
小さな仕事を通じて社会とつながりながら、心も体もイキイキとした幸せな老後を築いていきましょう。
焦らず、自分にぴったりのスタイルを見つけましょう。
