「最近、親の様子が少し変わった気がする…」
そんなふとした違和感が、介護のはじまりのサインかもしれません。
介護は突然始まるものと思われがちですが、実際には日常生活のなかにその“兆し”は現れています。
本記事では、介護の始まりを示す7つのサインと、突然の介護を防ぐために今からできる備えについて解説します。
親の介護、平均的に「いつから」始まるのか?
平均して75歳前後から介護が必要になる方が増えはじめ、80歳を超えると4人に1人以上、85歳以上では2人に1人以上が要介護認定を受けています。
ただし大切なのは「年齢」よりも「変化」。
認知症や脳血管疾患(脳卒中)、転倒・骨折などが介護のきっかけとなることも多く、見逃せないサインを日頃から察知することが重要です。
見逃したくない!介護の始まりを示す7つのサイン
以下のような変化が見られたら、介護の始まりかもしれません。

- 食欲がない、急に痩せてきた
- 家の壁や杖、靴が壊れている
- 外出や予定管理が減った
- 探し物が増えた、物の収納場所が変わる
- 約束や日付を忘れる、同じことを繰り返し尋ねる
- メガネや食器などをよく壊す
- 昼夜逆転している、眠れていない様子

これらは、身体機能の低下や認知機能の衰えなどが原因の場合が多く、1つでも当てはまる場合は注意が必要です。
突然の介護に備えるために「今できる7つの準備」
いざというときに慌てないためには、元気なうちから少しずつ準備を進めておくことがカギになります。

親の健康情報の把握と共有
病歴、服薬状況、お薬手帳、保険証の所在などを家族で把握しておく
健診結果なども共有し、健康リスクを見える化
介護について家族で話し合っておく
自宅か施設か、親の希望や考えを事前に聞いておく
兄弟姉妹間で役割や費用の分担も協議しておく
介護費用と財産管理の整理
年金、貯蓄、資産の状況を確認
成年後見制度や家族信託なども選択肢に入れる
住環境の安全対策
手すりの設置、段差の解消、照明の改善など
小さな工夫が大きな事故を防ぐことも
地域の支援情報を調べておく
地域包括支援センター、ケアマネジャー、介護サービス事業所の連絡先をリスト化
介護保険や公的支援制度も事前にチェック
緊急対応に備えた書類整理とシミュレーション
保険証、連絡先、医療情報などを一括で管理
「もしものときどうするか」を家族で確認し合う
日常的なコミュニケーションで変化を察知
普段からこまめに連絡を取り、変化に気づく関係性をつくる
介護の話題を自然に出せるような空気づくりを心がける
「介護かも?」と思ったらどうする?

小さな変化でも違和感を覚えたら、地域包括支援センターや介護相談窓口に早めに相談しましょう。
専門家とつながっておくことで、いざというときに本人の自立した生活を支えやすくなり、家族の負担を軽減することにもつながります。
まとめ
介護の始まりは、ある日突然ではなく、日常の中の“サイン”に気づけるかどうかで決まります。
そして、その変化に気づいた人が、少しずつでも準備を始めておくことが、未来の安心につながるのです。
「まだ早い」は「今がチャンス」かもしれません。
親の笑顔と家族の安心を守るために、できることから少しずつ始めてみませんか?