8050問題とは、80代の親が50代の子どもの生活を支えている社会問題を指します。
主に「ひきこもり」や「就労困難」な子どもを親が経済的に支え続けているケースが多く、親の高齢化とともに深刻化しています。
7040問題は、8050問題と同様に70代の親が40代の子どもを支えている状況を指します。
近年では、8050問題よりも若い層に広がりを見せており、早期対応が求められています。
親の介護が必要になったとき、収入や支援が乏しい家庭では大きな課題となります。
8050・7040問題の主な原因
長期化するひきこもり問題
ひきこもりの平均年齢は年々上昇しており、内閣府の調査(2019年)では40〜64歳のひきこもり人口は約61万人と推定され、7割以上が男性でした。
世間体を気にして報告していない家族の存在を加味すると、実際にはもっと数が多いと考えられます。
かつては若者の問題とされていましたが、現在は中高年にも広がっています。
ひきこもり期間、7年以上が半数。
ひきこもりが長期化、高齢化しています。
そのため、親の年金に依存せざるを得ないケースが増えています。
学校・職場になじめなかった
ひきこもりには、学生時代に原因があり、そのままひきこもっているケースがあります。
いわゆる、不登校。
人間関係がうまくいかなかった。
学校になじめかった 。
受験に失敗したなどです。
病気もあります。
また、親の病気や介護をきっかけにひきこもることもあるようです。
それ以外にも、いったん学校を卒業、就職してからのひきこもりもあります。
学校と同じように、職場になじめなかった、人間関係などです。
1990年代のバブル崩壊後、多くの若者が非正規雇用を余儀なくされました。
就職氷河期世代(現在の40〜50代)は安定した職に就けなかった人が多く、正社員になれずに収入が不安定なまま中高年を迎えている人もいます。
8050・7040問題の深刻な影響
経済的困窮
親が高齢になり、年金収入で子どもを養う家庭も増えています。
しかし、親が介護を必要とする時期になると、介護費や医療費などの負担が増え破綻しやすくなります。
親が亡くなった後、子どもが収入を得られず生活に困窮するケースが多発しています。
社会との接点の喪失
長期間引きこもっていると、社会との接点が失われ、就労や自立の意欲を取り戻すのが難しくなります。
特に50代になると再就職のハードルが高くなり、より深刻な状況に陥ります。
8050(7040)問題の対策
地域・行政の支援強化
親の介護が必要になると、経済的・精神的負担がさらに増し、共倒れのリスクが高まるため早めの対策が必要です。
自治体による就労支援や相談窓口の充実が不可欠です。
例えば、専門のカウンセリングや職業訓練を通じて、社会復帰のサポートを行う施策が求められます。
親世代の負担軽減策
親が経済的・精神的に追い詰められないよう、介護サービスや生活支援の活用が重要です。
また、子どもの将来を考え、親亡き後の支援体制を整える必要があります。
当事者へのアプローチ改善
中高年の引きこもり支援では、無理に外に出すのではなく、少しずつ社会とのつながりを取り戻せる環境作りが重要です。
オンラインの支援グループやボランティア活動を通じて、徐々に社会復帰できる仕組みが求められます。
企業の受け入れ体制強化
年齢を問わず就労できる環境作りが求められます。
リモートワークや短時間労働など、多様な働き方を受け入れる企業の増加がカギとなります。
まとめ
8050・7040問題は、今後ますます深刻化すると予想されています。
しかし、適切な支援を活用し、早期対応を行うことで解決の道が開けます。
親だけで抱え込まず、行政や支援団体と連携して問題解決に取り組みましょう。