「長生きは当たり前」と思っていませんか？
ところが最近、75歳を迎える前に亡くなる高齢者が増えています。
医療も進み、平均寿命も延びているのに、なぜこんなことが起きているのでしょうか。
実は、75歳の壁を越えられるかどうかは、65歳以前の生活習慣でほとんど決まってしまうのです。
本記事ではその背景と、今からでも間に合う“健康寿命を延ばすための行動”についてわかりやすく解説します。
75歳未満で亡くなる高齢者が増加している現実
近年、平均寿命が延びている一方で、「75歳になる前に亡くなる人」がじわじわと増えています。
厚生労働省の人口動態統計でも、70〜74歳の死亡率は過去10年でほぼ横ばい、あるいはやや増加傾向。
心疾患、脳血管疾患、誤嚥性肺炎など、予防可能だったはずの病気で命を落とす例も少なくありません。
75歳を待たずして“人生を終える人たち”は、共通して「早期の体力低下」「生活習慣病の重症化」「孤立によるメンタル低下」などを抱えています。
後期高齢者の“壁”とは何か？
75歳以上の人は、日本の制度上「後期高齢者」とされ、医療保険制度も変わります。
この年齢を境に、体や生活に様々な“転換点”が訪れるのです。
後期高齢者が直面する問題：
- 筋力・骨密度の急激な低下
- 免疫力の衰えで感染症リスク増
- 生活習慣病の進行と合併症のリスク
- 認知機能の衰えと転倒リスクの上昇
医療や介護の現場でも、75歳を境に支援の必要度が急増すると言われています。
65歳以前にすでに差がついている健康状態
実は、75歳の健康状態は、65歳以前からの生活習慣で決まってきます。
とくに60代前半で“フレイル（虚弱化）”が始まっているケースは少なくありません。
フレイル予備軍の特徴：
- 運動習慣がない
- 食事が炭水化物中心で、たんぱく質不足
- 一人暮らしや退職後で社会とのつながりが希薄
- 日常生活での活動量が極端に少ない
こうした要因が積み重なり、70代に入る頃には“見えないリスク”が大きな健康格差となって表れます。
75歳を“無事通過”するために今からできる5つのこと
「まだ若いから大丈夫」と油断していると、健康はあっという間に失われます。
75歳を元気に迎えるために、今から取り組みたい5つの行動を紹介します。
たんぱく質を意識した食生活
加齢とともに筋肉が減る「サルコペニア」を防ぐために、毎食のたんぱく質を意識しましょう。
例：納豆＋卵、豆腐＋魚、ヨーグルト＋ナッツなど
1日15分のウォーキングから始める
歩くことは最高の健康習慣です。筋力、心肺機能、認知機能の維持に効果大。
孤立しない暮らしを設計
趣味のサークルや地域活動、ボランティアなどに関わることで、心の健康も守られます。
朝起きて、朝食をとる「生活リズム」を守る
夜型・不規則な生活は自律神経を乱し、免疫やメンタルに悪影響を与えます。
定期的な健康チェックと“自分の体への関心”
数値だけでなく「体重の変化」「疲れやすさ」「食欲の有無」など、日々の変化に目を向けましょう。
高齢期の健康格差を生む“情報格差”にも要注意
健康に関する情報は溢れていますが、「本当に必要な情報」は意外と届いていません。
例：
- フレイル予防や低栄養対策を知らない
- 正しいたんぱく質の摂り方がわからない
- 「年をとったら自然に衰える」と思い込んでいる
正確な情報にアクセスし、実践に結びつける力こそが、健康寿命を延ばす鍵となります。
介護・医療の現場からの声：「75歳前に倒れる人の共通点」
医療や介護の現場では、75歳を迎える直前に急変・寝たきりになる方が後を絶ちません。
その多くは、「65〜70歳頃までは見た目元気」だった人です。
共通する特徴：
- 体力の“貯金”がなかった
- 病気を放置・過信していた
- 孤独・無気力で生活に張りがなかった
専門家は「60代は“老いの入口”ではなく“準備期間”ととらえるべき」と強調します。
まとめ：人生100年時代、75歳が“終点”にならないために
「どうせ歳だから」「病気になるのは仕方ない」とあきらめるのは早すぎます。
健康寿命を延ばし、人生を楽しむには、65歳以前の生活の質が決定的なのです。
食事・運動・人とのつながり・生活リズム・情報リテラシー
この5つを見直し、75歳の“ハードル”を元気に越えていきましょう。
