「できるだけ自宅で介護したい」
「施設には入れたくない」
そう願う家族は多くいます。
しかし、在宅介護は想像以上に大変で、費用や制度の仕組みも複雑です。
この記事では、在宅介護の基本的な流れから、費用・助成金・支援制度、介護の限界を感じる前に知っておきたい工夫まで、わかりやすく解説します。
図表や地域別の支援金一覧も掲載しているので、実践的な一歩を踏み出す参考になります。
在宅介護の基本と始め方
在宅介護の概要と家庭での介護の重要性
在宅介護とは、要介護者が自宅で生活を続けられるように、家族や介護サービス事業者が支援する形です。
家庭での介護は、住み慣れた環境の中で安心感を得られる一方、介護者(家族)への負担が大きくなりやすい点も特徴です。
最初に行うべきは、「介護保険の申請」。
市区町村の窓口で申請し、要介護認定を受けることで、訪問介護やデイサービスなどの公的サービスを利用できます。
在宅介護サービスを利用する際の流れ
- 要介護認定の申請(市区町村役所)
- 訪問調査・主治医意見書の作成
- 介護認定審査会で要介護度が決定
- ケアマネジャーによるケアプラン作成
- 訪問介護・デイサービス等の利用開始
初めて介護保険を申請する場合は、「地域包括支援センター」に相談するとスムーズです。
在宅介護に関する法律と制度
在宅介護は複数の法律や制度によって支えられています。
| 制度・法律名 | 内容 |
|---|---|
| 介護保険法 | 高齢者の自立支援とサービス利用のルールを定める |
| 高齢者虐待防止法 | 介護中の虐待防止、支援体制を義務化 |
| 障害者総合支援法 | 障害を持つ高齢者にも介護サービスを提供 |
| 地域包括ケアシステム | 医療・介護・生活支援を地域で一体化 |
在宅介護にかかる費用と助成金
訪問介護の費用は、介護時間・内容・要介護度で異なります。
自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)です。
【図表】訪問介護サービスの料金目安(1割負担の場合)
| サービス内容 | 時間 | 1回あたり | 週3回利用時の月額目安 |
|---|
| 身体介護(入浴・排泄など) | 45分 | 1回250~260円(地域差あり) | 月3,000円前後 |
| 生活援助(掃除・調理など) | 45分 | 1回で約250円 | 約3,000円 |
| 通院等介助 | 60分 | 事例により異なりますが、1回約100~110円 | 月1,200円前後 |
介護度が上がると支給限度額も上がるため、複数のサービスを組み合わせやすくなります。
介護ヘルパーの料金はいくら?具体例と比較

| 要介護度 | 月額の支給限度額(1割負担) | 利用できるサービス量の目安 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 約5,000円 | 月4〜5回の生活援助 |
| 要介護1 | 約16,000円 | 週2〜3回の訪問介護 |
| 要介護3 | 約27,000円 | 毎日の訪問介護+デイ併用可 |
| 要介護5 | 約36,000円 | 総合的な在宅支援が可能 |
介護サービスは「時間単価制」なので、使いすぎに注意。
ケアマネジャーと相談しながら無理のないプランを立てることが重要です。
家族の介護でもらえるお金と支援制度
家族が介護をしている場合も、条件を満たせば各種支援金を受け取ることができます。
| 制度名 | 支給内容 | 対象者 |
|---|---|---|
| 介護休業給付金 | 休業前賃金の67%支給 3か月(93日)まで。 | 雇用保険加入者 |
| 特別障害者手当 | 月額29,590円(令和7年度) | 重度の在宅介護者 |
| 介護用品支給事業 | 紙おむつ・介護ベッド購入費の一部助成 | 各市町村の介護用品助成・支援金:支給額や内容は自治体ごとに細かく異なります。 |
地域別・自治体の主な介護助成金一覧(2025年度版)
| 自治体 | 主な助成内容 | 支給上限額(年) |
|---|
| 東京都(23区) | 介護用品購入助成・紙おむつ補助 | 24,000円 |
| 神奈川県横浜市 | 在宅介護用品給付事業 | 30,000円 |
| 大阪市 | 介護ベッド・車椅子購入補助 | 50,000円 |
| 名古屋市 | 介護タクシー利用助成券交付 | 36,000円 |
| 福岡市 | 介護用品支給事業(所得制限あり) | 18,000円 |
自治体によって名称や条件が異なるため、「○○市+介護助成」で検索するのが確実です。
在宅介護の大変さと限界

在宅介護で家族が感じる負担とストレス
介護は「体力」「時間」「お金」「心」の4重苦になりやすいのが現実です。
特に長期化すると、介護うつや共倒れのリスクが高まります。
在宅介護が大変な理由ランキングTOP5
- 介護時間が長く、睡眠不足になる
- 経済的負担が想定以上
- 相手にイライラして自己嫌悪
- 一人で抱え込み、孤立する
- 自分の人生や時間を犠牲にしてしまう
介護限界のサインを見逃さない
- 感情の起伏が激しくなる
- 相手を避けたくなる
- 食欲・睡眠リズムの乱れ
これらは「限界のサイン」です。
早めにケアマネや地域包括支援センターに相談しましょう。
認知症を持つ方への在宅介護のポイント
- 否定しない対応を心がける
- 生活リズムを一定に保つ
- 家の安全対策(鍵・ガス・段差)を徹底
必要に応じて、「認知症カフェ」「見守りネットワーク」など地域資源を活用しましょう。
在宅介護のためのサポートとリソース
家族の協力とコミュニケーション法
介護はチーム戦です。
「できる人ができることを、できる範囲で」。
感謝の言葉を意識的に伝えることで、介護ストレスを減らす効果もあります。
在宅介護ヘルパーの活用メリット

- 専門知識を持つプロが安全に介護
- 家族の心身の負担を軽減
- 介護技術を学べるチャンスにも
「他人に任せるのは気が引ける」と感じる方も、週1回から利用を始めてみるのがおすすめです。
地域包括支援センターの活用
地域包括支援センターは「介護の総合窓口」。
介護・医療・生活支援・権利擁護などをワンストップで相談できます。
一人で抱えず、地域とつながる介護を意識しましょう。
在宅介護を続けるためのコツ
介護者自身のケアが最優先
介護者が健康でなければ介護は続きません。

- 1日10分でも自分時間を持つ
- 趣味や運動を取り入れる
- 完璧を求めすぎない
相談先を複数確保しておく
- ケアマネジャー
- 地域包括支援センター
- 家族会・介護者サロン
困ったときに連絡できる相手を「3人以上」持つことが安心につながります。
一時介護(レスパイトケア)の活用
「ショートステイ」や「デイサービス」を使って、介護者がリフレッシュする時間を確保しましょう。
休むことは、介護放棄ではなく「継続のための戦略」です。
まとめ
在宅介護は、家族の愛情だけで続けられるものではありません。
制度・支援・地域との連携を活かすことが、長く続ける最大のポイントです。
まずは、「地域包括支援センター」に相談を。
ひとりで抱え込まず、支援を受けながら続ける介護へ。







