糖尿病の恐ろしさとは？放置が招く深刻なリスクと合併症

糖尿病は「血糖値が高くなる病気」として知られていますが、その本当の恐ろしさは、放置することで全身にさまざまな合併症を引き起こす点にあります。

初期段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行し、命に関わる重篤な状態になることもあります。

この記事では、糖尿病の恐ろしさと、それによって引き起こされる深刻なリスクについて解説します。

糖尿病になる原因と特徴とは何か

糖尿病の種類

糖尿病には大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病の2種類があります。

• 1型糖尿病：自己免疫の異常により、膵臓がインスリンをほとんど分泌できなくなる病気で、若年層に多いのが特徴です。
  
  
• 2型糖尿病：生活習慣が原因で発症することが多く、中高年に多い病気です。

この記事では、日本人の糖尿病の大半を占める「2型糖尿病」について解説します。

糖尿病の主な原因

糖尿病の主な原因には、以下のようなものがあります。

1. 食生活の乱れ
   
   
   • 炭水化物や糖分の摂りすぎ
     
     
   • 脂質の多い食事
     
     
   • 野菜不足
     
     
2. 運動不足
   
   
   • 運動不足によるインスリン抵抗性の増加
     
     
   • 筋肉量の減少による血糖値の上昇
     
     
3. 肥満
   
   
   • 内臓脂肪の蓄積がインスリンの働きを阻害
     
     
4. 遺伝的要因
   
   
   • 家族に糖尿病患者がいると発症リスクが上がる
     
     
5. ストレスや不規則な生活
   
   
   • 睡眠不足やストレスによるホルモンバランスの乱れ

糖尿病の放置がもたらす危険性

糖尿病は「サイレントキラー」とも呼ばれ、初期の段階では自覚症状が少なく、気づいたときには合併症が進行していることが少なくありません。

そのため、初期症状を見逃さず、早期発見・治療が重要です。

糖尿病の初期症状

• 異常な喉の渇き
  
  
• 頻繁な排尿
  
  
• 疲れやすい・体がだるい
  
  
• 体重の急激な減少
  
  
• 傷が治りにくい

動脈硬化の進行による心筋梗塞・脳卒中

糖尿病が続くと血管がボロボロになり、動脈硬化が進行します。

その結果、以下のような命に関わる病気が発生する可能性が高まります。

• 脳梗塞（突然の意識障害や半身不随）
  
  
• 心筋梗塞（胸の激痛、突然死のリスク）
  
  
• 閉塞性動脈硬化症（足の血流障害による壊死）

感染症にかかりやすくなる

糖尿病になると免疫力が低下し、さまざまな感染症にかかりやすくなります。

特に、以下のような感染症は糖尿病患者で重症化しやすい傾向があります。

• 肺炎（細菌感染により重篤化しやすい）
  
  
• 歯周病（歯を失う原因に）
  
  
• 皮膚感染症（傷が治りにくく、感染が広がりやすい）

糖尿病の恐ろしい合併症「三大合併症」とは？

糖尿病の代表的な合併症である「三大合併症」は、多くの糖尿病患者に発症する可能性があり、生活の質を大きく損なう危険性があります。

糖尿病網膜症（目の障害）

• 目の細い血管がダメージを受け、視力が低下
  
  
• 最悪の場合、失明することも
  
  
• 進行すると手術が必要になり、回復が困難

糖尿病腎症（腎臓の障害）

• 腎臓の機能が低下し、老廃物を排出できなくなる
  
  
• 進行すると人工透析が必要になり、週3回の治療を受けなければならない
  
  
• 腎臓が完全に機能しなくなると命に関わる

糖尿病神経障害（神経の障害）

• 手足のしびれや痛みが発生
  
  
• 感覚が鈍くなり、傷が悪化しやすい
  
  
• 壊疽（えそ）が進むと足の切断が必要になることも　壊疽：皮膚組織が急激に死んだ状態

糖尿病の予防と早期発見が重要な理由

定期的な健康診断を受ける

糖尿病は初期症状が少ないため、血糖値のチェックが非常に重要です。

40歳以上の人は年1回の健康診断を受けましょう。

血糖値をコントロールする生活習慣

糖尿病を予防するためには、次のような生活習慣が不可欠です。

• バランスの良い食事（低糖質・食物繊維を多く摂る）
  
  
• 適度な運動（ウォーキングや筋トレを取り入れる）
  
  
• ストレス管理（睡眠をしっかり取り、リラックスする時間を作る）

糖尿病にならない人の食生活の知恵

糖尿病を予防するためには、普段の食生活を意識することが大切です。

「まごわやさしい」食材を積極的に摂る

これは健康的な食事の基本とされる食材の頭文字を取ったものです。

• ま：豆類（納豆、豆腐など）
  
• ご：ごま（ナッツ類）
  
• わ：わかめ（海藻類）
  
• や：野菜
  
• さ：魚
  
• し：しいたけ（きのこ類）
  
• い：芋類

よく噛んで食べる

噛むことで満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐことができます。

間食はナッツやヨーグルトにする

糖質の多いお菓子やジュースの代わりに、低糖質の食品を選ぶことで血糖値の急上昇を防げます。

まとめ

糖尿病は、放置すると失明・腎不全・足の切断・心筋梗塞・脳梗塞など、命に関わる深刻な病気を引き起こす危険があります。

しかし、適切な生活習慣を守り、定期的な健康診断を受けることで予防できる病気でもあります。

糖尿病は「気づいたときには手遅れ」というケースが多い病気です。

しかし、糖尿病は発症しても早期に治療を開始すれば、合併症を防ぐことが可能です。

糖尿病の恐ろしさを理解し、早めの対策をとり今日からできる予防策を実践しましょう！