※この記事は、「家族で備える介護の準備ガイド|後悔しないために今できること」第2回です。
「介護保険って、いつ申請すればいいの?」「まだ元気そうだけど、今から動くのは早すぎる?」――親の年齢や体調の変化を感じ始めると、多くの家族がこのような疑問や不安を抱きます。
介護保険は、必要になってから慌てて申請するよりも、仕組みを早めに理解しておくことが何より重要です。
本記事は、介護保険の基本から申請のタイミング、家族が知っておきたい相談先までを解説します。
第1回で解説した「家族での話し合い」を土台に、次の一歩として何をすればよいのかが見える内容になっています。
そもそも介護保険とは?家族が押さえておきたい基本
介護保険は、高齢や病気によって日常生活に支援が必要になったとき、介護サービスを社会全体で支える仕組みです。
原則として40歳以上が保険料を支払い、65歳以上(第1号被保険者)は原因を問わず、40〜64歳(第2号被保険者)は特定疾病が原因の場合に利用できます。
介護保険で利用できる主なサービス
- 訪問介護(ホームヘルプ)
- デイサービス(通所介護)
- 訪問看護・訪問リハビリ
- 福祉用具レンタル・住宅改修
- 施設サービス(特別養護老人ホームなど)

これらのサービスを原則1割〜3割負担で利用できる点が、介護保険の大きな特徴です。
介護保険はいつ申請する?判断の目安
「要介護になってから」では遅いことも
介護保険の申請は、介護が本格的に始まってからでなければできないと思われがちですが、それは誤解です。
次のような変化が見られたら、申請を検討するサインといえます。
- 転倒や骨折をきっかけに生活が不安定になった
- 物忘れが増え、日常生活に支障が出始めた
- 通院や買い物を一人で行うのが難しくなった
- 家族の見守りや手助けが明らかに増えてきた
介護保険は、申請してすぐ使える制度ではありません。
申請から認定までには原則30日程度かかるため、「少し心配」と感じた段階で動くことが、家族の負担を減らすポイントです。
要支援・要介護認定の流れを知っておこう

介護保険を利用するには、市区町村への申請と「要介護認定」を受ける必要があります。
申請から認定までの基本的な流れ
- 市区町村の窓口へ申請(本人または家族)
- 認定調査員による訪問調査
- 主治医意見書の提出
- 介護認定審査会による審査
- 要支援1・2、要介護1〜5の認定
この結果によって、利用できるサービスの量や内容が決まります。
認定が出るまでの期間を見越して、早めに準備しておくことが大切です。
家族がやっておくと安心な事前準備
介護保険申請をスムーズに進めるために、家族が事前にできることがあります。
- 本人の日常生活の様子をメモしておく
- 困っていること・できないことを具体的に整理する
- 通院先や主治医を確認しておく
- 本人の意向(在宅希望・施設検討など)を把握する
認定調査では、「できていること」よりも「できなくなっていること」を正確に伝えることが重要です。
遠慮せず、普段の様子を具体的に伝えるようにしましょう。
申請は誰がどこで行う?相談先を知っておこう

市区町村窓口だけでなく、地域包括支援センターへ
介護保険の申請は、市区町村の介護保険窓口で行えますが、最初の相談先としておすすめなのが地域包括支援センターです。
地域包括支援センターでは、
- 介護保険制度の説明
- 申請手続きのサポート
- 要支援者向けサービスの案内
- 家族の介護負担に関する相談
などを無料で受けることができます。
家族だけで悩まず、早い段階で専門職につながることが重要です。
介護保険を「使わない選択」も含めて考える
介護保険は、申請したからといって必ずサービスを使わなければならないわけではありません。
「使える状態にしておく」こと自体が安心材料になります。
- 状況が変わったらすぐ使える
- 家族だけで抱え込まなくて済む
- 選択肢を比較しながら判断できる
介護は長期戦になることも多いため、制度を味方につける視点が大切です。
第1回とのつながり|話し合いがあるから申請がスムーズになる
第1回で解説した「家族での話し合い」ができていると、
- 申請のタイミングで迷いにくい
- 本人の意向を尊重した判断ができる
- 家族間の役割分担が明確になる
といったメリットがあります。
介護保険は、話し合いの延長線上で活用する制度と考えると、無理なく取り入れられます。
まとめ|介護保険は「早めに知る・早めに相談」がカギ
介護保険は、必要になってから慌てて調べる制度ではありません。
少しでも不安を感じたら、早めに仕組みを知り、相談先につながっておくことが、本人と家族を守ることにつながります。
完璧な準備は必要ありません。
まずは情報を知り、相談することから始めてみましょう。
それが、無理のない介護への大切な一歩です。
介護保険の理解とあわせて重要なのが、家族内の役割分担です。
👉 【介護の中心は誰が担う?】無理なく続ける役割分担の考え方、も参考にしてください。





